Hachikuで寿司打で遊ぶ (Hachiku-Roman)
ずっとQMKキーボードで薙刀式を練習してきたので、久々にWindowsで打ってみようとしたら寿司打で遊べなくて戸惑ったので作ってみた。
使い方はReleasesにあるHachiku-Roman.exeを実行するだけ。注意としては、英数入力時のSandSが有効になっていないと使えないよう。(あとAutoHotKeyのバージョンが2.0ではなくて1.1であることに一応注意。)
ちなみに自分がやったことはただSetEisuを消してSetKanaをSetEisuに置き換えただけ。これだけでローマ字タイピング練習ソフトが使えるようになるのだから便利。
打鍵が好きと、書くのが好き、の違い
最近毎日欠かさず朝と夜に薙刀式の打鍵練習をしていて、まるで剣道の朝練のように清々しくて精神統一できていいなと思っている。
自分は運動部ではなかったので完全にただのイメージなんだけど、学生の頃は朝晩ずっとピアノの練習をしていて、その感覚を思い出す。
中学高校と吹奏楽部で、大学は芸術工学部の音響設計学科と、結構音楽ざんまいな日々を送っていた割には、今は音楽との接点といえばたまに気晴らしにピアノを弾く程度で、しかも一か月に一回程度。
共通点はどちらかといえば打鍵の方があるなと思っていて、エンジニア・マネージャーであることを思うとピアノに向き合っているかキーボードに向き合っているかの違いくらいで、やっていることは大して違っていないと自分は感じているのだけれど、言葉にすると結構違って聞こえるのは不思議。
実際、働いてるときの姿勢とか大事にしてることとかは、ホントそのまんまだと思っている。
ただ、当時自分がピアノに求めていた癒しの効果や時間は、意図的にマインドフルネスに置き換えてしまっていて、結果としてなにをするときもマインドフルであるように心がけているので、あまり音楽やピアノにこだわらなくなってしまったのは変わったかなと思う。
……なにがいいたかったかというと、自分のルーツはたぶん打鍵のほうにあって、書くことが好きというよりもキーボードを打ってる時間が好きなんだろうなということ。
もちろん仕事ではたくさんの言語的表現を扱うし、その二つは不可分な関係にあると思うのだけれど、打鍵が好きだからこそいろんな打鍵配列を試すのだろうし、スマホがあってもあえてキーボードを使い、パソコンを持ち運ばないのにキーボードは持ち運ぶのだろうと思う。
そういう意味では、自分は打鍵の楽しさというものを今後も発信していきたいなと思うし、今よりもっと、打鍵にこだわることの良さが伝わるような動画配信やワークショップをしていくといいのだろうなと思ったりする。
子供の頃はみんな持っていただろう、ただ書くことの楽しさや、ただ書くことで自然と行われる思考整理の良さを、今後いっそう伝えていければと思う。
新下駄配列や薙刀式、親指シフトといったものがもっともっと世に広まっていくように、微力ながら自分にできることを模索しつつ、自分自身ももっと楽しく打てるように精進していきたいな。
薙刀式練習 (再) 17日目: WPM113
だんだんとまとまった文章が打てるようになってきて、薙刀式がだんだん楽しく実用的になってきた。
ただKeychron K3 Proを実用するようになって気になり始めてきたことが、このキーボードはJISと認識されるときとUSと認識されるときとがあるようで、どちらに認識されるかで記号の扱いが変わってしまうので少し困っている。今のところMacではUS、iPadではUS・JIS (たまに)、iPhoneではJISと認識されていて、どうすれば認識させる配列を変更できるのかは今のところ不明。
……それはまぁさておき、薙刀式の配列の楽しさはだんだんとわかってきた。まだ本格的に高速でタイピングするレベルには全く到達していないものの、それでも薙刀式 (v14) が持っているポテンシャルはだんだんと理解できてきたし、将来的には高速打鍵にも十分耐えうる感じはしていて、ただ練習量と期間だいぶかかるだろうなという予感はしている。
配列練習の期間に対しての伸び率自体は高いのかなと思ったりするものの、他に打鍵できる実用的な配列があるせいでそちらを普段は使うので、あえて練習時間をとらないと伸びないのがそろそろネックになってきた気がする。
配列自体はとても楽しいので、17日目にもなってくると実機なしで空で頭で練習してもさほど苦にはならないレベルにはなってきたけれど、でもまだシナプスが上手く繋がっていないのか、実際の打鍵速度がさほどついてきていないのがちょっとだけ残念。
あと不思議なことに、薙刀式と新下駄の配列的共通点は意外に多くあって、それが久々に打つときなんかにお互いの混乱の元になったりはする。これはDvorakからAstarteに移ったときにも体験したので、やはり同じかな配列同士なので仕方ないかなという感じ。
でもやっぱり楽しさというのは薙刀式が一番あるような感じはしていて、このペースで練習していけば、新下駄配列よりも速く打てたり、いっそのこと置き換えてしまう日も来るかもしれないとさえ思う。
薙刀式、新下駄、もしどちらも同レベルに習熟するときがきたら、打鍵比較動画なんかも作ってみたい。
それにしてもカフェで気ままにiPadとキーボードだけで文字打ちができるというのは本当に最高。好きなコーヒーを飲みながら外の風景を見つつ過ごすのが、一番癒されるし、生産性も高い気すらする。(カフェで隣から聞こえる雑談とか、食器の擦れる音とか、なんとなくオシャレなBGMとか、音も好きだったりする。)
QMKワイヤレスにAliceレイアウトが追加
大岡さんのブログ記事で知ったのだけど、こうして様々なタイプを売り出してくれるのがKeychronのすごいところだと思う。
そして大岡さんが書いているように、親指シフトのレイアウトをファームウェアに書き込んであげるサービスは普通にアリなんじゃないかな。使いたい新配列がセットアップ済みのキーボードを買える時代がついにやってくるのかもしれない。
薙刀式練習 (再) 11日目
薙刀式を再開して、早いものでもう10日。
薙刀式を再開しようと思ったきっかけ自体は、ポメラによって親指シフトに慣れたからなんだけど、最近発売されたKeychron K3 ProのQMKワイヤレスによってiPadによる薙刀式での打鍵が実用的になり、それを機に本格的にiPadにメインの環境を移すことにした。
それまでは仕事も文字書きもMacでやっていたのだけど、パソコンを持ち歩くのが自分はあまり好きでなくて、カフェではポメラを使ったりフリックでiPhoneから書いたりしていたのが、ほぼiPadに落ち着いた。
物書きだけじゃなくて仕事をiPad経由でカフェですることも増えて、リモートデスクトップアプリやSSHからクラウドサーバや自宅サーバ、自宅のデスクトップに接続することで、開発関係も特に問題なくできている。いまはWi-Fiがどこにでもあるし、いい時代だなと思う。
薙刀式の打鍵速度自体は、寿司打上の表示で0.7回/秒ということで、まだあまり速くは打てないのだけれど、ブラインドタッチはできるようになってきたし、まとまった文章もぼちぼち打てる感じになってきて、ようやく薙刀式で何かを表現できるスタート地点に立てた気がする。
ちなみに寿司打はiPad上でもちゃんと動いていてちょっと感動したし、薙刀式でiPadでブラウザとか好きなアプリが使えることにだいぶ感動している。
久々の打鍵感について: バランスの良さと、地についた感じ
薙刀式の打鍵感は、とてもバランスが良いという印象。
3年前に一時期薙刀式を練習していたときは比較対象がなかったので、新配列への新鮮な驚きと親指シフトへの抵抗感だけが印象として残ったのだけど、再度改めて新下駄配列やNICOLAと比較したときに、ちょうど真ん中くらいでバランスがとてもいいと感じた。
新下駄配列は全般的に軽快でサクサクした印象である一方、両手の同期に結構心理的に負担を割かなくてはならない。
NICOLAの場合は、親指シフトの同手同時押しがあり、かつ親指シフトキー自体が特殊なので、かなり使えるキーボードを選ぶし、打鍵のテンポ感はややゆっくりになる。
薙刀式はちょうどその中間的な位置付けなように感じていて、親指シフトをスペースキーにしているのでキーボードの相性問題がなく、かつ親指シフトと人差し指シフトのバランスが良いので、新下駄配列に感じる問題点である、記憶の難しさや打鍵自体の難しさ、そしてNICOLAに感じる一打一打の重たさを、薙刀式はバランスの良さで解決してくれている気がする。
実際、薙刀式を打ち始めてまだ10日目なのに、結構前から打ってたんじゃないかと思うような覚えやすさや打ちやすさ*1があって、親指シフトならではの地に足がついた感じがあるし、それでいて人差し指シフトをうまく組み合わせたことによる、軽快な打鍵速度を維持できる身軽さがある。
ちなみに "地に足がついた感じ" というのは、新下駄配列は結構「跳んでいる」とか「弾んでいる」といった印象を自分は持っていて、親指以外の両手の指を同時にテンポよく打つからなのか、飛び跳ねるような印象がある。一方の親指シフト系は親指を握ったり押さえつけたりするからか、しっかり地に足をつけて打っている感じが自分はする。
その打鍵感の違いは多分人によって好みがあって、昔の自分はあまり手を握って打ち進める感じは好きではなかったのだけれど、今は親指シフトへの抵抗感が減ったので、今後は好きになれそうな予感がしている。
あとは自分自身がどれくらい習熟できるか次第なのだけれど、iPadの推測変換やライブ変換が楽しいのも相まってか、習得初期にしてはサクサク文字打ちできるし楽しいので、これなら楽しく習得していけそうな気がする。
新下駄配列を習得していた初期の頃は、記憶量が多すぎるせいなのか、あるいは打鍵コンビネーションが多すぎるせいなのか、いつまで経っても普通に打てなくて苦労したのだけれど、薙刀式はゆっくりであれば割と早期に普通に文字打ちしていけるし、例えば仮にいくつかの拗音拡張を覚えてなかったとしても、思い出すことは容易だし、別の打ち方をすることもできるので、一種のパズルみたいな楽しさがあるのはいいなと思う。
もちろんこれらを神経レベルでスムーズに打鍵していくことは多分長い時間がかかるので大変だろうと思うのだけれど、だからこそコンビネーションがすぐ頭に浮かぶのはいいことだなと思うし、神経レベルで慣れなくても打てる楽しさは、デザインの力だなと思う。
これらはどちらが優れているとかいうよりも、哲学や戦略の違いなので、いろんな面で棲み分けされていてうまく使い分けができるし、多様性というのは改めて素晴らしいなと思う。
*1:3年前に使ってた時期があるのでその影響も多少あるかも。
iPadで新下駄・薙刀式の夢がついに叶う(QMK + Bluetoothという画期的な技術革新)
ついにこのときが来たか、という、個人的には歴史の1ページを見ているような感じ。*1
先日、Keychron K3 Proという、500gの軽量でありながら、QMK/VIAでの配列のフルカスタムができて、かつBluetooth/USB-Cの無線・有線接続ができるという、素晴らしい市販キーボードが販売された。
(ちなみに自分はAmazonじゃなくてヨドバシの通販で買って、ヨドバシエクストリームで数時間で届いて感激した。)
QMKワイヤレス、QMK Bluetoothで市販されているものはおそらく現時点で他に存在しないので、市場としては初めての製品になるはず。今までもBLE Micro Proという基板自体はあったものの、自作キーボードに留まっていて、完成済み・組み立て済みの市販品はなかった。
そしてこれで新下駄・薙刀式を打てるように、eswaiさんのコードをフォークして書き込み、ついに打てるようになった。
ちなみに手順としては、qmk_firmwareを焼き込める環境を作り (割愛)、funatsufumiya/qmk_firmware_k3pro
をGitHubから手元にcloneした上で、make keychron/k3_pro/jis/white:shingeta:flash
(追記: 最新版では make keychron/k3_pro/jis/white:naginata_v15_and_shingeta:flash
) でK3 Proのファームウェアを更新することで、新下駄・薙刀式が打てるようになる。(Fn + LEDボタン で新下駄・薙刀式の切り替え、Fn + スナップショットボタンで、QWERTY・Astarteの切り替えに割り当てた。)
なおK3 ProのDFUモード (ファームウェア書き込みモード) は、スペースキーの下にあるリセットボタンを押しながら、OFF / Cable の切り替えスイッチを2回入れるとDFUモードに入れる。
実は、新下駄配列をiPadで打つだけであれば、USB2BT PLUSや、かえうち2を使うという方法があったのだけれど、いずれの方法でも薙刀式は技術的な問題から実装ができず、新下駄などが仮に打てたとしても、カフェとかにちょっと仰々しいガジェットやケーブルを持ち込む必要があったので、自分はちょっと嫌だった。
それが今回初めて、QMKワイヤレスという画期的な規格によって、ついにカフェでiPadで優雅に、新配列で文字書きするという夢が実現された。
先日記事に書いたように、薙刀式をもう一度再考している最中だったので、タイミングとしてはこの上なく、に運命の巡り合わせなのかな、と思ってしまうくらい、新配列ユーザにとっては素晴らしい製品がナイスタイミングで発売されて、感激している。
配列というのは、QWERTYやJIS規格のように共通で決まっていることも素晴らしいのだけれど、自由に変えれるのが良いと自分は思っているので、こうしてQMK/VIAを誰でも使えるというのは、素敵なことだと思う。こうした製品がもっと出回って欲しいし、例えばポメラや普通のパソコンなんかにもQMK/VIA的なものが導入されるような未来がくれば、配列エミュレータとかがなくてもよくなるのになと思ったりする。
*1:後述するけれど、普通のキーボードでも、新下駄配列であればUSB2BT PLUSやかえうち2という追加ガジェットを使えば一応実現できる。
Keychron K3 Pro - フルカスタムできるワイヤレスキーボードとして、ひとつの完成形
衝動的に手に入れてしまったのだけれど、正直ひとつの金字塔というか、歴史の1ページを見てるような感覚。
Keychronは最近急速に人気が出ている、元々はクラウドファンディングからスタートしているキーボードブランドなのだけれど、種類が豊富で元々何種類か持っていた。
ただこのK3 Proは次元が違っていて、QMK/VIAを使ってフルに配列をカスタムできる上、ワイヤレス対応かつケーブルでも使えて、500g程度のポータブルキーボードという、もうこれはひとつの芸術品なんじゃないかと感じている。
たぶん当分はこれで遊ぶことに土日が費やされる予感がするけれど、QMKって結構難しそうなので、また一つ勉強することが増えちゃったなと、楽しみでもありつつ、そろそろ財布の紐を締めないとなと思うこの頃。
これでもし薙刀式とか新下駄配列が実装できたら、メインの執筆環境はiPadに移すつもりで、そしたら夢だったカフェでおしゃれに執筆する環境が揃う…!(小型の無線キーボードとiPadで新配列で執筆なんて、できたら本当に夢のよう。)