しさくろく

試作録、思索録、詩作録、…etc

ポメラハック1日目〜2日目: ネット接続に苦戦、DvorakPキーマップ作成

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最近ついにポメラDM200を手に入れて、EKESETE.netで配布されているDebianを入れてポメラハックをし始めた。Xを起動してGUIを起動すると電池を食うのもあって、初期のコンソールのまま楽しむことにした。

昔から格安パソコンを手に入れてDebianを入れてメインパソコンとして使ってきたので、メインがLinuxでこんなに小さいPCが手に入るなんて夢のようだった。GPD Pocketも好きだったのだけれど、やっぱりポメラは本来が文字打ち用に作られているだけあって、特にDM200はキーボードの品質が高くて素敵。

結果的には、せっかくのARM32マシンということもあって、ARMで動くいろんな言語やコンパイラを入れて遊んでいて、とりあえず最初に写真にある画面にSLが走るslコマンド(apt install sl)を動かしたり、コンソールで動くぷよぷよなんかを素朴に楽しんだりした。

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Go-Puyoを動かしている様子

ただここまで動かせるようになるまでは相当に時間がかかって、自分が中古で購入したDM200はファームウェアが1.4というのもあるのか、通信機能はDebian側ではBluetoothしかうまくいかず、Wi-Fiにも繋げないし、給電ハブを使ってもUSBはどうしても使えなかった。

7/29 追記: https://github.com/nobotty/Documents/wiki/Pomera-DM200 にヒントを見つけ、無事Wi-Fiが繋げるようになった!原因は一度Linuxの書き込みに失敗して二度上書きしたためで、別のSDできちんとリストアしてから、元のDebianを起動すると、/opt/etc/firmware 内にちゃんとファイルがあるので、これらをコピーしたところ問題なく接続できた。USBもそれが原因かも。後で検証。 )

そんな環境でどうやってプログラムをインストールしたりしようか悩んだ末、/mnt/vfat としてマウントできるSDカード本体を使うしかなかったので、まず必要なdebファイルを別のパソコンでダウンロードした後にSDにコピーして、dpkg -i で一つ一つインストールした。

slコマンドくらいはすぐにインストールすることができたのだけれど、Bluetooth経由でiPhoneテザリングをすることを目標にしたところ、依存ファイルが超多くて相当に苦戦。しぶしぶ自作のRubyスクリプトを書いて依存ファイルを列挙したりしながら半手作業でコピーして、実際テザリングできるところまで行くのに半日潰れた。

github.com

結果的には、ちゃっとテザリングでネットできて感動したし、一度ネットに繋がればaptが使えるようになってホッとした。

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最初にpinggoogleに通って感動したとき。テザリング経由できたのも感動。

ただ、安心したのもつかの間で、Bluetoothテザリングは10KB/s程度の超低速でしかネットが使えないと知って愕然。1MBのファイルをダウンロードするのに10分くらいかかる。

結局、aptで列挙される必要なファイルと容量を目で確認して、そのうち大きなファイルはさっきのスクリプトを使って別のPCでまとめてダウンロードしてコピー、dpkg。ネット開通前に比べてaptが使える分だけ作業は楽になったけど、結局、やってることは開通前とほぼ変わらず…。

でも、そうこうしているうちに欲しいプログラムは一通り揃って、最初こそただのコンソールだったけど、byobuを入れたりしてすっかりカラフルな環境に早変わり。ここまでくればもうLinuxとしては何も遜色なく使える。

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byobu上でhtopを動かしている様子

ここまできてようやく、自分がそもそも何をしたかったのかを思い出し、新下駄配列+Programmer's Dvorakを打てるようにさらに調査と試行錯誤をしてみて、少なくともProgrammer's Dvorak (DvorakP) は問題なく使えるようになった。DvorakPのX用のキーマップファイルはすぐ手に入るものの、XなしのコンソールだけでDvorakPを使うためのキーマップは案外見つからなかったので、新しく書いた。

github.com

自分が普段使っている、CmdQwertyというかCtrlQwertyに近いものも収録してある。こちらはCtrl押下時にQwertyのショートカットが打てて便利だけど、一部対応できないCtrlキーがある。

さて一番肝心の新下駄配列の動作については、実はまだうまくいかず。XでGUIを有効化すれば多分簡単に使えるのだと思うけど、CUI環境のせいかARM環境のせいなのか、oyainputでもうまく動かず。

7/29 追記: Linux on Pomera DM200 人柱版 その2 – 記録 の2018/5/28追記に記載があるように、カーネルの更新で /dev/uinput を追加するアップデートを作ってくださっているので、 Pomera DM200 · nobotty/Documents Wiki · GitHub にに記載の手順で更新をカーネル更新をすると、oyainputなどを動かすことが可能。素晴らしい。)

新下駄配列をLinuxで動かすプログラムを書いてくれた人が既にいて、OCamlをビルドしてみようとしたけれど、なにせネット通信が貧弱なせいで、opamのパッケージ取得にはとんでもなく時間がかかる上に、ARM環境というのも相まって、必要なパッケージの最新バージョンが手に入れられなかったりする始末。なのでokeyfumはまだビルドをすることすらできない。

……という感じで、当初の目標であった新下駄配列+DvorakPの小型メモマシンを作る計画自体はまだ実現できていないものの、DvorakP配列が使える便利なDebian ARMパソコンとしては十分完成した感じがする。

この端末だけ持ち歩いてメモとかするには、今のところはまだ結局元のポメラとして親指シフトで入力して、プログラムしたいときはDebianを起動するという感じ。ちょっと悔しいけど、どちらも起動できるというのはホント便利。

個人的にはコンソール専用ミニノートは喉から手が出るほど欲しかったので、それだけでも嬉しいのだけど、Xを起動させればoyainputとか、末には新下駄配列も使えるかもしれないと思うと、どうしてもうまく行かないときにはGUIも有効にするかな。

ちなみに、このポメラを丸2日ハックしたりプログラムを書いたりを極力DvorakPを使用してやっていて、自分のDvorakPの熟練度はだんだんと上がってきた。逆にときたまQwertyが入力できなくなって焦るけど、しばらく入力していれば感覚は戻る。なぜかQwertyで日本語を打つときは何も支障がないので不思議。DvorakQwertyは似ている部分も多いので頭が混乱するんだろうか?もう少しDvorakの習熟度が上がって、何も意識することなく打てるレベルになれば、きっとQwertyに切り替えるのもそんなに苦じゃなくなると信じたい。逆かな。

Dvorak(P)でもコロンをバックスペースに

さて、ほぼ自分用なのだけれど、Programmer's Dvorak でも新下駄配列と同様にJISのコロンの位置にバックスペースを持ってきたかったので、暫定的にハイフンは右親指シフト+コロンで入力できるようにしてみた。

追記: rev.2を追加。こちらはJISの]をハイフンに追加で割当。)

Karabiner-Elementsでは右シフト+コロン→ハイフンとしている。自分は別の設定で英数キーを左シフト、かなキーを右シフトとしているので、これでやまぶきR用と同じ挙動になる。(元々やまぶきR用は、DvorakPでの記号入力が楽になるよう、英数入力時は左右の親指シフトが普通のシフトキーと同じ挙動をするように設定。)

ただ、Dvorakでは元々ハイフンだった場所にバックスペースがあるので、ついハイフンを入力するつもりでうっかり文字を消しちゃったりする。これはポメラ親指シフト時にQwertyのコロンがそうなのだけど、コロンとハイフンだと個人的に入力頻度がだいぶ違うので、これがベストかどうかちょっとしばらく使ってみて考えたい。

今のところ自分はアンダーバーが今まで通り入力できるというのがうれしいので、ハイフンの使用頻度に比べてアンダーバーのほうが使いそうという意味で嬉しい気もしつつ、一方でMarkdownの箇条書き記号がハイフンだったりと、意外にハイフンは使うのでやや悩むところ。

追記: rev.2では、この問題は多少解決。やまぶきR版は他にも例えば、新下駄配列のように、通常キーとの組み合わせで D + : = - とかにしてもいいかもしれない。やっぱり親指シフトを活用し始めるとキーボード種類にとても依存して打ちやすさが変わってしまうので、悩ましい。)

追記2: ずっとこれでプログラムを書いてみた結果、ハイフンの位置は元の位置がやっぱり最適なので、プログラム書くときは普通のProgrammer's Dvorakを使うことにした。ただ日本語入力メインで打つとき、新下駄配列と一緒に使うときには、BSの位置が揃ってないのが気になるので、その時だけプロファイルを切り替えてDvorakP改2を使おうかな。コーディングの時と日本語入力の時で重視することが違うので、こういうときに気軽にプロファイルを切り替えられるエミュレータは便利。)

Karabiner-Elements上での、シフト同時押し含む記号対応表(JIS用)

qiita.com

このブログに直接書いてもよかったのだけれど、なんとなく技術記事はQiitaにまとめているつもりなので、一応分けて、久々にQiitaに書いてみた。

内容はタイトルの通り、Karabiner-ElementsでJISの記号を設定したいときめっちゃ頭が大混乱するので、ある意味で完全版の対応表を作ってみた。

シフト同時押しなしの表はあちらこちら(こことか)で見かけるけれど、結局シフト同時押しありについてはいつもEventViewerで確認して書くことが多くて、しかもEventViewerで見てもいまいち自信がなくて何度もトライアンドエラーしてしまう始末。なので、もう何回もDvorakだとかでComplex Modification設定を何度も改定するたびにチェックするの大変なので、表にちゃんとまとめてみることにした。我ながら便利な表になったなぁと思うけれど、これがもっと早くあってほしかった…。

(追記:せっかくなので特殊キーや使用例についても記載してみた。ここまでくるとUSキーボードにしかない記号とかについても書きたくなってくるけど、USキーボードが手元にないので、また機会があれば。)

蛇足だけど、QiitaとかWikipediaの記事書くときって、いつもつい気張ってしまって、普段以上に体裁とか検証可能性とか考えて書いちゃうので妙に疲れる(笑)。このブログ書くときくらいのんびりした気持ちで書いたほうがいい記事が書ける気もしつつ、たまにはしっかりした記事を書くのも心地よいなぁと思ったり。

ところでこのQiitaの記事を書くとき、実際の刻印キーとキーコードを確認するために何度もQwertyとDvorakPを行き来して書いたのだけれど、WindowsのやまぶきRのようにすぐ切り替えられるショートカットをKarabiner Elementsではまだ設定してなくて、結構面倒だった。多分以下のIssueとかを参考にすればできると思うけど、若干面倒なのでまだ試してない。できたらまた記事にでもしようかな。

github.com

それにしても、福岡の夏は最近ホント暑い。エアコンずっとつけて暑熱順化しないでいると、それはそれで外に出たとき暑くて死んじゃうし。こんなに暑いとエアコンつけずにもいられないし、難しい。7月でこんなに暑いと先が思いやられるなぁ…。

ポメラDM100で久々の親指シフト

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別の記事にもちょっとだけ書いたのだけれど、最近ふと箪笥の肥やしと化していたポメラをふと取り出して、久しぶりに親指シフトNICOLA)で文字を書いたらすごく楽しかった。

上の写真をよく見るとわかるのだけれど、実はポメラ公式の親指シフト対応シールをキーボードに貼っていて、これがすごく良い。このシールについては以下の2つの記事が詳しいと思う。シールってまだ売ってるのかな?自分はシールは数年前に通販で買ったのだけれど、公式の販売ページがリンク切れしているところをみるともう売ってないのかもしれない。

2nirvana.blog.fc2.com

ameblo.jp

このシール、貼るときはちょっと迷って、こういうシールを貼るとブラインドタッチの妨げになっちゃったりとか思ったのだけど、今思うとホント貼ってよかったと思う。

結果的に自分は普段全く親指シフトNICOLA)を常用しないので、こういうたまに使いたいときにはキーボードに刻印があるのはすごくありがたい。元々昔1ヶ月程度NICOLAを使っていた時期があったので、シールのガイドのおかげもあって、30分くらい書いていれば案外すぐブラインドタッチできるようになる。それでも一部のキー、特に半濁音はどこにあるかすぐ忘れてしまうので、ホントありがたい。

思ってみれば、親指シフトがハードとしてサポートされていて、かつ刻印シールまで公式に売ってあったというのは、今思うと本当に貴重な端末だなぁと思う。ポメラってそれくらい書くことへの情熱を体現してくれていたんだなと思うし、今でもDM200は販売が続いていてポメラ自体10周年というのは、ワープロの販売がなくなったこの時代の貴重な端末だと思う。

DM200の方は自分はまだ持ってない。でも最近、DM200には実はLinuxを入れてなんでもできると知って、早速中古を買って届くのを楽しみにしているところなのだけれど、そんなことをしなくても標準で親指シフトをサポートしていて、判定時間の調整もできるというのは本当に素晴らしいと思う。

自分がポメラLinuxを入れて使いたいのは、新下駄配列とDvorakPで打鍵したりVimを使いたいからなのと、単純にPSVitaハックだったり昔からガジェット改造が好きというだけなのだけれど、たまに親指シフトを打っていて楽しかったりすると、並行して親指シフトも慣れていくのも楽しいかもしれないなんて思ったりもする。でも、熟練度は全く違うので、いま新下駄配列で打ってるみたいにサクサクはとてもいかないし、効率は悪いかも。

ポメラで打鍵している時間は自分は結構好きで、文字打ちしかできなくて文章に集中できるということと、あの小ささがすごく好き。自分は1kgくらいのMacBook Airでさえバックに入れると重いなぁと感じるので、あのコンパクトさと手軽さはとても魅了的。でもその分だけちょっと首の位置は下になるので、長時間打つのは辛いかも。それでも、メモ書き感覚で手帳みたいに持ち運べて、電池残量もめっちゃ持つってすごいことだと思う。そういう意味ではDM100も含めた昔の機種なんかは単3電池だけで長時間持つ手軽さがある。

ちなみに書いた文章の同期については、自分はQRコードを使ってスマホに専用アプリ取り込んでNotionとかのメモアプリに貼り付ける。他にもDM200なら無線とか、DM100でもFlash Airを使ったりすれば気軽に読み込みできるけど、自分の場合そんなにすごい量の文章をポメラで書いたりはしないので、今のところ事足りてる。でもQRコードが10個とか超える分量になると読み込みしんどいだろうなぁ。

Dvorak配列練習198日目: A達成、一旦ひと区切り。

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一ヶ月くらい前に実はC達成、そしてそれから2週間くらいでB達成していたのだけれど、あまり詳細は書いていなかったので、久しぶりにタイプウェル(英単語)をやってみてAが達成できたので一区切りとして、いろいろメモ。

記録によるとFを達成したのが40日ほど前で、Dvorak(Programmer's Dvorak)を本格的に再開したのが50日くらい前なので、一ヶ月半くらいしっかり使えばAくらいになるということが実感できてよかった。

紆余曲折と、効率化の良し悪し

前の記事でも書いたけど、日数カウントの198日との乖離が大分あることからもわかるように、自分のDvorak習得はだいぶ紆余曲折があって、最初の2週間と最近の1ヶ月半以外はほとんど使用していなくて、全く上達がなかった。理由はホント繰り返しになるのだけど、Qwertyが普通に使える状況において、かつ日本語配列は新下駄配列で高速に打てるなかで、英語配列だけをDvorakに置き換えるというのは相当に精神的にも鍛錬が必要だった。

ここ1ヶ月くらいは本当に(Programmer's)Dvorak習得にかなり情熱を傾けて、Typing Boltのような効率的習得ツールを使って効果的に練習してみたり、Vim AdventuresDvorakでやってみたり、SHAKYO.ioをProgrammer's Dvorakでやったりした。

実際真剣にやってみてわかったことは、Typing Boltのような苦手克服系のタイピングツールはたしかに効率よくてグングン速く打てるようになる実感があるけれど、すごく疲れる(笑)。というのも、やっぱり苦手な配置を特に重点的に練習させられることになるので、JやXなど、特に左側にあって出現頻度の低い子音の練習は辛いように感じた。"object" "adjust" とかをただひたすら打つといった感じはなかなか辛い。そのうち慣れてきて楽にはなってくるけど、こういうのは使いどころだなと思った。

そういう意味で、いつもとても楽しく打鍵できるのはe-typingマイタイピングの長文系。効率が良いのかどうかはさておき、名言や長文を打っていると気持ちが良いし、勉強になる。著作権的にどうなのかはよくわからないけど、スティーブ・ジョブズの名言だったり、ヨガの格言とか、ハリーポッターの一文とか、そういう実際役立ちそうなものをタイピングしているとやっぱりテンション上がる。

慣れてきたらツールは不要で、一人でひたすら模写すれば良いので、そういう意味では途中からリソースは無限大になるのだけど、ある段階まではツールなしは結構キツい。やっぱりミスが多い段階だとバックスペース打つの辛いので、親指シフトのようにバックスペースが打ちやすい配列以外は最初はちょっと辛い(配列カスタムすればBS効率化は対応できなくもないけど)。その点でタイピングツール(サイト・アプリ)というのは本当にありがたい。

Programmer's Dvorak特有の練習法と課題

SHAKYOやマイタイピングは、自分の好きな文章やコードを追加して練習することもできるので、とても助かる。特に通常のDvorakではなくProgrammer's Dvorakでは、記号の練習と数字の練習が一定量必要なので、やっぱり練習するコードの言語に左右されるところが大きい。例えばPHPだと$をすごく多用するし、bashなんかだとチルダ~)やバッククオート(`)が頻発したりする。

Programmer's Dvorakは、記号がシフトなしで打てるという点は嬉しいのだけど、数字も含めて考えると、体感的に左手の小指と薬指を非常に酷使する配列だと思う。なので、自分は親指シフト(変換・無変換キー)も通常のシフトキーとして動作するモードを使い分けていて、そのおかげでだいぶ左手が楽になった。スペース自体をシフトとして使ういわゆるSonSも有効と思うけど、自分は使ってない。ちなみに、特にMacではかなキーと英数キーを犠牲にしてしまうのはとても辛いので、プロファイルを切り替えて使っている。かなと英数を頻繁に切り替えるときは親指シフトなし、コードばっかり書くときは親指シフトありといった感じ。

記号や数字自体の配置についてはホント好みが大きい気がしていて、これについては慣れもあるけれど、親指シフトと同様に適当にカスタムしたり追加したりして工夫してる。これは使っているエミュレータに依るところも大きいので、好みの問題と思う。自分は~$は追加で割り当てている。

ただ、他の記事でもよく書かれているように、普通の英文を打つ分にはDvorakは最高なのだけれど、プログラミングのように普段使わない語彙が出てくると必ずしも効率的に打てないので、工夫して使う必要がある配列だと感じている。lsとかホント打ちづらいので、alias l=ls してみたりといった具合。

ちなみにVimとの相性は思った以上に良い。hjklはちゃんとその方向にキーがあるし、他に打鍵に困るようなキーストロークの組み合わせもほぼないので、ずっと使っていけば自然とDvorakでもVimが使えるのはホント幸いで、偶然というか奇跡だと思う。

ただ、自分は相変わらずケースバイケースでQwertyに切り替えたりするので、間違えたキーストロークで文字が消えてしまったりする事故は未だにある(笑)。もちろんすぐuCtrl-Zするのだけれど、案外困るのがパスワード入力で、よく使うパスワードはDvorakでも入力できるようになっておかないといざというとき大変。特にMacとKarabiner Elementsの組み合わせでは、スリープ後のパスワードはDvorakで打つ羽目になりやすいので、練習しておいたほうがいい(Touch IDこういうときありがたい)。

新下駄配列+DvorakPに移行した結果とコスパ

さて、とにかく紆余曲折あったけれど、念願かなってQwertyから新下駄配列+DvorakP (Programmer's Dvorak)に移行することが一応できた。本当に感無量。速度面ではまだまだ課題も多いけれど、一応の区切りかなと思う。

日数にしてほぼ丸一年かけて移行することになって、ここまでして移行するメリットが万人にあるかどうかと言われると、正直かなり人による。

自分自身は、配列を移行したおかげで書くことが楽しく、本当に楽になった。まず苦痛だったブログや文章を書くことが新下駄配列でとっても楽しくなり、そしてDvorakのおかげで英文やコードを書くことも楽しくなった。その結果こうして定期的にブログを書く時間を取るようになったことや、思考や行動の全てをNotionのようなデジタルメモに記録するようになったことはすごい成果だと思う。コロナで在宅ワークが増えたことをきっかけに移行を決意して、本当によかった。

でも実は、デジタルメモとかは結構スマホで記録をとっていて、フリック入力の方が気軽にサクサク打てたりもする。そう考えると、あえて1年近い期間をあえて台無しにしてまで移行するメリットって、なんだろうか。

よく、音声入力があれば十分とか言われるし、フリックが速いならパソコンでもフリックでもいいかもと思ったりすることもあるけど、自分は、書くマインドフルネスじゃないけれど、キーボードを使って実際の物理感覚を感じながら書くことがすごく好きで、タイピング自体が好きというのが大きい。今回の移行でそれをより実感したし、親指シフトが「指がしゃべる」と言われるように、多分頭の中でしゃべって思考を整理することが好きなのだと思う。

それでも、Qwerty配列だった間は正直パソコンに向き合うのがすごく辛かった。学生時代とかは何の苦痛にも思わなかったけど、年齢的なものなのか段々辛くなって、在宅ワーク中は結構しんどかった。もちろん全部が全部、Qwerty配列のせいではないし、移行開始時に掲げた「速さではなくて楽さを優先する」というポリシーのおかげも大きい。配列を変えるまでしなくとも、キーボードを良いものにするとかデュアルキーボードにするとか、椅子を変えるだとか、そういう部分の貢献も大きいと思う。けど、やっぱり新下駄配列とDvorakPにした意味は大きい気がする。

ちょっと哲学的かもだけど、配列を変えようと思えてそれを達成した時点で、それがたとえ何の配列であっても大きな意味はある。けど自分の場合、配列選択時に最も移行コストの大きい配列2種を選択したので、移行が相当に辛かった分、その分だけの見返りは十分すぎるほど得た、と思う。

自分の場合は最終目的が打鍵速度ではなくて打鍵自体の楽しさだったのだけれど、自分の性格的にやっぱり速度面の妥協はしたくないので、速度も打鍵の楽さも両方とりたいと思った結果、移行には相当なコストがかかった。それでも自分が重視するのは楽さや楽しさなので、速度面を妥協すればもっともっと習得コストが低い配列はたくさんあるし、必ずしも最適解がこれではないと思う。(DvorakPについては、記号・数字部分に不満がないわけではないので、たぶんしばらく工夫を重ねる気がする。)

ちなみに何配列でもいいという部分について、最近久しぶりにポメラDM100を使って親指シフトNICOLA配列)を一年ぶりくらいに打ってみたら、相当に楽しかった。自分は今に至る過程でいくつも配列をトライしたからなのか、親指シフトをもう一回打てるように頑張ってみること自体とても楽しかったし、もちろん全然速くは打てなかったのだけど、一字一字を改めてきちんと打つ楽しさ、親指シフト特有の楽しさをすごく感じた。久々に親指シフトをわざわざ打ったのは、ポメラではQwertyとJIS以外に親指シフトしか使えないからなのだけれど、QwertyとJIS以外の選択ができるというのはとても大きいと思う。

そういう意味で、何配列にもそれぞれの目的と習得コストがあって、各々に応じて得られるメリットがあるので、好きな配列を自由に選んで習得するのが良いのだと思う。その自由が担保されているというのがすごく大事なことな気がしていて、個人的にはポメラのようなワープロがもっと新JISとかいろんな配列が使えるようになったらな夢のようだと思う。エミュレータも、自分が愛用しているやまぶきRとかはストアアプリやPowershellでは使えなかったりするし、MacのKarabiner Elementsも記号の設定が大変だったりと、まだまだ苦労はある。

それでも、Win/Macで配列が自由に選べる現状って十分に素敵なので、あとは情報がもっともっと増えたらと思う。自分も習得フェーズは脱してきた感あるので、積極的に情報まとめたりしていきたい。

Dvorak配列練習169日目: C達成

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前回と比較して、一度本気で練習しようと思うとやっぱり伸びるのは早いものだと思う。単純に練習量に比例してると思う。

ところで前回はe-typing英語のスコアとだいぶタイプウェル英単語のスコアには開きがあったけれど、実は今は同じC。不思議なものだと思うけれど、e-typing英語の方はtheとかisとかよく入力する単語が多くて元々速かったのに比べて、タイプウェル英単語は比較的アトランダムなのが関係してると思う。単語自体の難易度はそれほど高くないのであれだけど、 https://learn.dvorak.nl/ のように単語が難しいとやっぱりそれなりに時間がかかるので、特定のパターンへの習熟度なんだろうな。

Dvorak配列練習159日目: F達成

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ホント久々の練習記更新。だいぶDvorakを本格練習し始めるのに時間が空いてしまって、実質の練習日数は全く159日ではないけれど、Dvorakに触れ始めての日数としては間違ってないし、その間の紆余曲折も含めて書いていければと思う。

ちなみにe-typingでのスコアはCくらい。だいぶ開きがあるのは、よく出てくる単語や文の並びの熟練度が高いためだと思う。

(ところで、スクリーンショットがグレースケールなのは、最近Windowsグレースケールモードで使用しているからで、うっかりそのままキャプチャを撮ってしまったため。ちなみにこのグレースケールモード、かなり余計な色情報がなくなっていろいろと集中しやすくなるので個人的にとてもおすすめ。ショートカット一つでカラーとグレースケールの行き来ができるのですごく便利。)

Dvorak練習に全然手が付かなかった約百日間

自分は、Dvorakを練習しようと思ってかなり長い間、実際にブラインドタッチができるようになってから、そこから練習時間が取れずに伸び悩んだ。

一番大きな理由は、Dvorakにすれば快適だと頭ではわかっているのに、元々Qwertyで十分高速に打てるがために、全くDvorakを練習しようという気が起きなかったこと。ほとんど、単にブラインドタッチをかろうじて維持するためくらいのレベルで、一週間に一回触れるか触れないかくらいでしか練習してこなかった。そりゃあスコアも伸びるはずもない。

また、自分の場合は日本語は新下駄配列で打鍵するので、特にローマ字入力を高速化する必要もなく、今もその必要性はないため、Dvorakは英語専用、プログラミング専用としてしか使わないことも、練習のハードルを上げた。

再度練習しようと思ったきっかけは、新下駄配列のメイン化

さて、そんな自分がどうしてもう一度Dvorakを真剣にやろうと思ったかというと、一番の理由は新下駄配列をメインで使い始めたことにある。

もともと、新下駄配列は、自分はこういうブログとかの長文を、休日や夜に快適にまったり打つためだけにずっと練習してきた。それがある瞬間、Qwertyより圧倒的に楽にかつ高速に打てる閾値を超えて、そこから、普段のチャットなどの高速打鍵もすべて新下駄配列に置き換えようと思い立った。そして今、よほどのことがなければ日本語はすべて新下駄配列で打鍵していて、自然と高速化し、前とは比べ物にならない次元でチャットや文章書きが快適で楽になった。

それに比例して新下駄配列の熟練度はもちろんぐんぐん上がったのだけれど、その一方で、英語配列Qwertyであることの違和感が改めて際立つようになってきた。日本語の打鍵は超快適で高速に打てるのに、Qwertyだとどうしても手が疲れるし引っかかる感じがあってしょうがない。

そこで、一念発起して、一度放置していたDvorak習得を再開することにした。

一度思い立ってからのスコアの伸びはあっという間

そこからはもう、久々にブラインドタッチを思い出すレベルから、今のG~Fになるまでは本当にあっという間だった。自分のなかで、プログラミングなどの本格的な業務は仕方ないにしても、それ以外は極力QwertyをやめてDvorakにしようと思い立って、そこからはホント早かった。

最初は新下駄配列でもそうだったように本当に苦しかったけど、それは数日で過ぎ去って、そこからはかなりすぐ実用的になった。やったことといえばタイプウェルe-typing、あとオンラインのいくつかの英語タイピングサイト、あといくつかのDvorak専用の打鍵トレーニングくらいだけど、やっぱり意志力が一番大きいと思う。

もしかしたら、新下駄配列をメイン化したタイミングで、HHKB+Realforceから、デュアルRealforceの2台体制に変えて、両手打鍵がより快適になったのも大きいかもしれない。同じタイミングくらいで椅子も新調したし、タイピングに向き合う時間が快適で楽しくなったのはあるかも。

雑念がない方が伸びが早い

さて今回久々にタイピング練習をするにあたって気づいたこととして、頭で余計なことを考えるより、頭で考えないで感じたままに指に任せるほうが伸びが早いということ。

なんだろう、実際にそれを言語化するのはとても難しいのだけど、頭で思考して配列を思い出すのではなくて、無意識に指が動くのを身体に任せて、間違ったら間違ったでそのときも全て指や腕に感覚を委ねるほうが、結果的に速く打てるし早く上達するっぽい。

これって多分一種の瞑想状態という気がして、「書く瞑想」とかそういうものに近い状態であるように思う。なかなか思考を捨てて全てを感覚に委ねるというのは、常にできるものではないけれど、ピアノとかもそうであるように、実際ある意味で無駄な思考を切り捨てたほうが、高い集中力とパフォーマンスが出るのは事実であると思う。

一度G~Fくらいになるとあとは楽しい

さて、少し脱線してしまったけれど、ここまでくればあとは自分の好きな場面でDvorakを使っていけるので、検索するときとか、こうやってブログや日記を書いてるときのちょっとした英語表現、あとは少しずつ実践的なプログラミングに応用していけたらと思う。

多分実際の業務のプログラミングで使用していければ本当に伸びは早いと思うけれど、それはもう少し先になるかな。新下駄配列も実際の業務で使えるようになったのは結構後だったように、なかなか時間との勝負の業務で使用するにはなかなか心理ハードルは高い。

ところで一番懸念していたVimとの相性は、調べてみると実はそれほど悪くないようで、HJKLも少し離れてはいるもののちゃんと左下上右の配置になっているし、それ以外も特にそのまま使用できてしまうので、これこそ慣れだなと思った。(でも多分当分はQwertyのままにすると思う 笑)

ショートカットキーは、今はCmdQwerty配列を使っているので、Ctrl押下時はQwertyになるけれど、将来的にはひょっとするとDvorakにするかもしれない。

あとは3DCG系のソフトで、よく回転や移動のキーがQWERTYに並んでいることが多くて、そこだけはさすがに慣れが必要だけど、そういうところこそ適宜Qwertyに戻して使うとか自由にできるので(PauseキーとかInsertキーですぐ切り替えれるようにしてる)、必ずしもすぐに全てをDvorakにする必要はないかなと思ってる。

なので、とりあえず自分が使いたいときにブラインドタッチでDvorakを使うようなベースラインは整ったので、あとはまた数十日使ってみて、また時々熟練度をテストしてみようかな。